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「……なんですか。」
「あ…の、さっきの赤ちゃん…。可愛かった…ですね。」
「そう思ったんですか?」
「え…?」
「用は済んだので、あなたは自室にでも帰ってください。」
私の手を振りほどき、冷たく言い放った眞緒は颯爽と廊下を曲がり、もう見えなくなっていた。
あぁ、…そうだった。
私たちは愛し合っていないんだったっけ。
おぼつかない足取りのまま、やっとのことで自室に辿り着いた私は、枕に顔を埋めて声を押し殺して泣いた。
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