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いつの間にか泣き疲れて眠ってしまったようで、辺りはすでに真っ暗だった。
一体今何時だ。
身体を起こそうとしたとき、遠くで玄関口の開く音が聞こえた。
眞緒が帰ってきたということはもうそろそろ日付が変わるくらいの時間だろう。
起き上がろうとするのをやめて、もう一度布団に身体を預けたその時、私の寝室の襖が開いた。
足音を立てずに布団のすぐそばまで来た眞緒は、いつかの晩と同じようにお酒臭い。
しかし、今日は女物の香水の匂いがしないだけまだマシだ。
きっと目は腫れてしまっているだろうし、寝たふりでもしてやり過ごそう、とそのままじっと身を潜める。
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