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落ち着かない気分のまま、ひとり手遊びをしながら時間を持て余す。 時折、扉の奥から聞こえる物音に期待と尻込みをしながらも、眞緒の帰りを待った。 それから1時間もしないうちに聞こえた玄関口の開く音。 ギシギシと板間を踏みしめる聞き慣れた足音に思わず耳まで顔が熱くなる。 「いつもより、だいぶ早い…。」 小さなひとりごとが言い終わった瞬間、待ち続けていた襖が開かれた。 「あ、その…。おかえり、なさい…。」 勇気を出して声を出したのに眞緒の顔はいつもと同じ無愛想なままで、チラリとこちらに視線を送りながら低い声で、 「ただいま」 と、だけ呟いた。
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