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彼女は私の父の執事の末娘。
幼い頃からいつも一緒にいるサツキは、私の頼れる友人であり、このわがままの一番の被害者でもあるけれど。
それでもこんな私に愛想を尽かさず一緒にいてくれる、この世で唯一の理解者だ。
「お嬢様、随分髪が伸びましたね。」
「もう、サツキ。2人でいる時は亜子でいいって言ってるでしょ?」
「そうでしたね。ねえ、亜子ちゃん。今日はいつものサイドアップではなく、夜会巻にしませんか?」
「サツキに任せるわ。」
「ふふふ。では、そのように…。」
微笑んだ彼女は慣れた手つきで器用にシュルシュルと私の髪を結い上げていく。
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