4263人が本棚に入れています
本棚に追加
/139ページ
そんな穏やかに流れていく時の中で、眞緒がポツポツと語り出した。
「なぁ、亜子。そろそろ家庭内別居はやめにしないか?」
「うん…。」
「それと、毎日とまではいかなくても、たまにはこうして出迎えてほしい。」
「…うん…。」
「あと、その丈はやっぱり短すぎる。俺以外の前では着るな。約束しろ、これは絶対だ。」
「……うん…。」
「最後に、」
「まだあるの?」
「これが最後だから聞きなさい。」
「はい…。」
「俺ももういい歳だから、そろそろ子どもがほしい。」
「あの…、えっと。」
「返事。」
「はっ、はい…!…え…?」
「では、誓いの口付けを。」
そう言って、眞緒は私にも届く高さに身を屈めて目を閉じた。
最初のコメントを投稿しよう!