はたして脂肪かシリコンか?

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無機質なグレーの研究室内は、常に複数人が出入りしているけれど、誰もリーダーには構わない。 「あーくそ、あと一掴み……」 すねたように隅っこの仮眠スペースにごろりと横になって、リーダーは大きく伸びをした。そうやってる姿は、なんだか年相応に見える。まだまだ子どもってやつだ。 いや、まあ、だからこそリーダーはすぐおっぱいとかそーゆーこと言っちゃうんだよねガキだからねしょーがないね。うん。 っていうかひとつかみって何が? 何を? 何の話なのリーダー。 研究室内では誰も何も言わないけど、外でその発言はタイホとかされちゃうかもだぞ。 リーダーが完全にすねると、それもまためんどくさいから、とりあえず機嫌をとっておくことにする。寝転がったリーダーの横にぺたんと座って、しっぽでぱたぱたはたいてみたりして。えいっ、えいっ。 「……でもさあ、私の胸は最高級シリコンだよ?お高い素材だよ?」 「うっせ。そんなの俺がいちばんよく知ってるわ!」 そりゃそうだ。だってリーダーが設計して、リーダーが発注したんだもんなー。 しっぽ攻撃はてきとーに手で払われる。 むう。この粗雑な扱い! こっちの方がすねたくなってくる。
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