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「でもさでもさ~、ヒューマンの、つまりリーダーがご所望のモノホンの胸なんて、ただの脂肪だよ?」
「? モノホン? お前、またどっかで変な辞書拾ってきたのか」
こちらの主張のメイン事項を完膚なきまでに無視して、リーダーは怪訝な顔をした。
いちおう説明しておくと、モノホンっていうのは地球のアジア地域の東方の小国の古語で、本物という意味なのである!
「博士が教えてくれたんだよー」
「? 博士って、誰だよ」
リーダーとの会話はすれ違ってばっかり。
いつものことだけど。
「ジキルくんのことー」
「だから!ジキルも知らねえよ誰だよ!こっちに分かる言語だけ使って話せっ」
がーっと怒鳴られて、頭の上の耳をぴっと寝かせた。ちょっと遅かった。リーダーはクソうるさい。
今さら遅いと分かっていながら両手で伏せた耳を抑えて、上目遣いに抗議の視線。
くっそ、目が合わなーい!
こっち見ろよー!
「……端末:ALF00025259901だよぉ」
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