ep1

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わたしは伊藤千晃。 いつもと変わらぬ朝。 千『いってきまぁーす!』 チアリーダーのように短いスカートにばっちりメイク履きこなした茶色のローファーにマフラーを巻き赤い自転車にまたがって1キロちょっと先の少し遠いわたしの学校へ向かう 千『うわぁ………さむ………』 自転車をこぎながら受ける冬の冷たい風に思わずつぶやく パシャ! 昨日は雨が降ったせいかあちこちに水たまりができている。 わたしがその水たまりの上を通っては水が跳ねる。 あくびをしながら自転車をこぎ続ける。 スーツをきた社会人がわたしの横を通る わたしもあんな風になれるのかな。 頭が特別いいわけではない。むしろいいか悪いかで分けたら確実に悪い方に入る。 でも進学したい。仕事につきたい。 一年もすれば人生二度目の受験がやってくる。 正直不安しかない だから今からでもスーツを着た人を見るとつい鼻の奥がツンとなるような思いになる わたしなりに努力はしているつもりだ。 でもまだできると思う できるならできるだけ精一杯頑張らなくちゃ 朝からそんな決意を胸に自転車のペダルを力いっぱい踏む。
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