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そんなこんなでやっとこさ学校についた
千『よいしょっと』
学校の自転車置き場に自転車を止める
人並外れて体が小さいからかそんな声が必ず出てしまう
?『なんちゅー声出しとんねん。(笑)』
関西弁の少しかすれた静かな優しい声。
わたしの大好きな声。
振り返るとそこにはクラスメートの與真司郎が笑顔で立っていた。
千『うるさいなぁもう』
わたしも笑って軽く真司郎を叩く。
そう。彼はきっとわたしの好きな人。
まだ確信できないのは認めたくないからなのだろうか。
真『先行ってるで?ほな教室でな』
愛想がいいわけじゃない。性格がとびきりいいわけでもない。真司郎より顔がかっこいい人なんてこの学校にはきっとたくさんいる。
でもわたしは彼なんだ。
理由とかない。
しいていうなら好きだから好き。
これがキッカケで……とか。
今までみたいにちゃんとした理由はない。
でもいつだか友達に言われた。
『嫌いに理由があっても好きに理由なんていらないじゃん。むりに探すことないよ』
中学校のころ先輩に恋していたわたしに言ってくれた言葉が妙に頭に残るから未だに覚えてる。
いらないんだよ。理由なんて
ただ好きなだけで好きの理由はあると思う
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