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そんなことを思っていればHRも終わり、それから1時限、2時限とただ椅子に座って話を聞くだけの授業がどんどんと終わっていく。
あっという間に昼休みになってしまった。
実『ちあきっ♪どこで食べる?』
実彩子が笑顔で聞いてきた。
千『とりあえず外行こっか!』
わたしたちはこの間サボったグラウンドの見える草むらへ移動した。
千『あのさぁ実彩子?』
実彩子の顔を見ると幸せそうにお弁当を頬張っている。
千『なんかあったの?昨日とか。』
実『えっ、あー、んー』
曖昧な答えしか出さない実彩子だけどそんな答え方でもう答えは出ていた。
千『わたしに言えないこと?』
わたしが聞くと実彩子は全力で首を横に振る。
実『あのねぇ………』
実『わたし直也くんに告白したんだぁ』
千『そうなの!?実彩子がんばったね!すごいよ!』
わたしがそう言うと泣き出しそうな顔でうつむいた。
実『恥ずかしいけどわたし、少し自惚れてたんだ。』
わたしの頭には疑問符ばかりが浮かぶ。
実『わたし、直也くんももしかしたらわたしと同じ気持ちじゃないかって思ってたの。』
実『だからそれで、思い切って告白したの。なのに実彩子のことはただの可愛い後輩としか見れないって。』
実『なんかそんなの、すごい恥ずかしかったし、情けなくって……』
千『そっかそっか。頑張ったよ実彩子は。』
わたしは実彩子を抱きしめた。
なんだかいつもより実彩子の体が小さく感じた。
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