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長い授業が終わり、放課後。
千『はぁ……』
部活が大嫌いなわたしにとって地獄のような時間。
目線をあげて真司郎を見る。
友達と楽しそうに話す真司郎を見ているとそんな憂鬱も忘れられそうだ。
のろのろと歩いて部活に向かう。
やっぱり憂鬱なんかそう簡単に晴れない。
わたしがこんなに憂鬱なのは別にキツい練習が嫌だからじゃない。
人には誰しも思い出したくない過去だってある。
今日は休もうかな?。
そこそこ体調も悪くて休むことにした。
千『今日バイトで出れない。ごめん。』
部長にLINEをパパっと打って自転車に乗る。
のんびり自転車をこいで家に帰る。
頭に真司郎が浮かぶ。
今日のはやばかった………。
思い出して1人で照れながら自転車こぐ。
前には見慣れた後ろ姿。
千『にっしー……?』
小さくつぶやいただけで慌てて振り返るにっしー。
千『あれ?にっしー部活は?』
隆『え、いや。なんか行く気になれなくて。家帰って考えたいこともあったし。』
にっしーも悩んだりするんだ。
人だから当たり前か。
千『そっか。わたしも同じ感じかな?(笑)』
わたしが言うと弱々しくにっしーが笑った。
千『にっしー。わたしでよければ話し聞くからね。わたしができることならなんでもするよ?だからそんな顔しないで』
隆『ありがとう。』
にっこりわらったけどその笑顔はまだなんとなく弱々しかった。
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