足取り

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彼女が倒れてから何度も来ている病室の前。数日前は大騒ぎだったのに今日は嘘のように静かだった。 ゆっくりと扉を開けて行き中を覗くと、いつものように座って窓の外を眺めていた。 「よっ!」 「あ、渡君!来てくれたんだ!」 かをりは嬉しそうに言った。 「看護師さんに聞いたよ。集中治療室に入ってからも毎日来てくれたんでしょ?」 「俺のかをりちゃんがいつ元気に成ってもいいようにね」 「ははは、ありがとう!」 それからしばらくいつものたわいの無い会話をしていると渡が公生の事を話題に出した。
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