第1章

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鎌倉宅 鎌倉 恭輔は家族と同居していながらも殆ど絶縁状態だ。 それなのに親のすねをかじり続ける自分が情けなくて仕方ない。 部屋の隅に立て掛けられた一枚の集合写真を睨みつける。 外国人の子ども達が映る写真。 その隅のほうで眼鏡をかけた日本人の男の子が一人いる。 それが俺鎌倉 恭輔だ。 今は金髪に染め眼鏡ではなくコンタクトを使用している。 性格も当時は大人しくよく虐められていた。 今とは全てが真逆だ。 帰国子女と言えば聞こえはいいかもしれないが、ようは日本に逃げてきただけだ。 俺は間違いなく嫌われ者だ。 親父からは何故順応出来ないと罵倒され母は俺なんかが世界に飛び立てる子なんだと信じている。 馬鹿馬鹿しい。 窮屈な世界 俺がバンドを始めた理由は決していいものではなかった。 俺を虐めてきた人間達を見返す為にマイクを握りギターを掲げた。 勿論、エリートな道に進んで欲しいと言われていた両親からは猛反発された。 でも俺はマイクを離さなかったんだ。 半分意地になっていたのかもしれない。 そんな生意気な餓鬼の俺に声をかけてきたのが秀行だった。
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