第1章

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恭輔は俺のギターを手に取りコード進行通りに弾く。 鼻歌に似た弾き語りで俺達にあらかたのメロディーを聴かせる。 俺を含めるメンバーは恭輔の鼻歌を聴きながら歌詞を目で追った。 恭輔の演奏が終わり、全員が顔を上げる。 表情は皆明るい。 俺もきっと口角が上がっている。 どんな飾り付けをしよう。 そればかり考えてしまう。 それほどまでに耳に残るメロディーだった。 恭輔は満足そうな表情を見せる。 「どうだ。 これを皆で最高の曲にしないか」 全員が笑顔だ。 恭輔は全員の返事を待つ前から分かっているようだ。 代表して俺が口を開いた。 「この曲を6曲目にしよう」
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