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この高校は文化祭に力を入れる。
文化祭のある5月はほとんど文化祭の準備に時間を費やすのだ。
そして俺が担当にあたったのは看板作成だった。
一枚出店の看板を塗り終わり休憩することにした。
廊下を出ると充満した塗料の匂いのする教室から解放される。
制服には少し塗料が付いてしまっていた。
この塗料は落ちそうにねぇな。
そんなことを考えながら廊下で背伸びをする。
座りっぱなしで看板を作成していたため、身体を伸ばすとリセットされる気分だ。
「巳島、ここ最近で変わったな」
隣から聞こえた声に視線を合わす。
そこには出店でやるサンドイッチを頬張る網谷 健二がいた。
「確かにな。
変えてくれたのは尾崎だ」
尾崎という名を出した瞬間、健二は分かりやすくふて腐れる。
「おい巳島。
俺は唯を諦めたわけじゃねぇんだぞ」
俺は真っ直ぐと網谷を見る。
「なら、俺と網谷はライバルだな」
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