第1章

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自分で口にしたライバルという単語に自身が驚く。 ライバル? 何を言っているんだ俺は。 自身の答えは頭の中のピースが繋ぎ合わさり出揃っていたというのだろうか。 網谷に目をやると先程までの敵視している瞳とは異なった。 「やっと素直になったのか巳島。 鼻からそうなんだよ。 俺とお前はライバルだ」 攻撃的な発言のはずなのに網谷の口角は上がっている。 何故か嬉しそうなのだ。 「あ、あぁ」 振り絞った精一杯の音だった。 俺は何も変わってなどいなかった。 やはり俺は自分たちのことなど全く分かっていなかったのだ。 そして網谷はずっと巳島 霧矢という存在が尾崎 唯へ抱く感情を分かっていたのだろう。 網谷は俺の肩を一度叩いて文化祭の準備へと戻っていった。
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