第1章

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マユミが選ばれた。 マユミが気付くようにと、通り道に置いた。 気付かない。 部屋に置いた。 マユミは見つけた。 「開けてくれれば、後は任せて!」 マユミは開けなかった。 「まだ間に合うから!早く開けて!」 マユミは勉強机の上に飾って毎日、眺めていた。 「時間がない!早く!」 マユミは楽しそうにいつも眺めていた。 「もうだめ!始まってしまう」 …真珠湾攻撃のニュースがラジオから流れた… 「何とかするから開けて!」 …戦局は悪化していった… 「止めてあげるから開けて!」 …毎日、空襲警報が鳴った… マユミは大切に持ち歩くようになった。 「もうダメ…」 …広島と長崎に熱い光が… …終わった… マユミは空襲で行方知れずとなっていた。 焼け跡に"綺麗な箱"があった。 占領軍が、その"綺麗な箱"を見つけて開けた… 箱の中で"天使"が震えていた…
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