第1章――平穏な日常――

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両親が冒険家というのは既に知っているだろうが、実は両親は半年に一回こうやってトラック一台分の荷物を送りつけてくるのである。 何でわざわざこんな山のような荷物を送りつけてくるのかはさっぱり分からないが、とにかく半年に一回こうやって送りつけてくるので仕方なく引き取っているわけだ。 ちなみにトラックのドライバーとはもうかれこれ4年ぐらいの付き合いである。 まぁ、色々気になる点はある。俺達にとってはガラクタだが両親にとっては宝の山のこの荷物は外国から輸送されてきているわけだが、関税とかで止められないのか?とか、そもそもこれらは盗品じゃないのか?とかだ。 ちなみに俺が盗品疑惑を強めた事件が去年の冬頃にあった。 ある日突然電話がかかってきたので出ると、それは父親からだった。 「父さん?どうしたの?」 「あぁ、優馬か?悪いな、父さんと母さんはちょっと今年は家に帰れそうにない。」 「は?何でだよ?年に一回は絶対家に帰って来るのに……」 「いや~、実はな?邪神を崇拝する部族の集落にお邪魔してちょっくら邪神像を拝借したら追い回されてなぁ。今逃げてる最中なんだ。」 「……はい?」 「ってことだから帰れそうにないって紫にも伝えておいてくれ。ほいじゃ!」 「え?ちょっ、ちょっと!?」 返事を返す前に切られた。で、年が明けてから半年に一回の荷物が届いた時に手紙が貼っつけられた石像を見つけたので読んでみると…… 『去年は変えれなくてごめんネ?これはそのお詫びです。』 そう書かれた手紙の下には恐ろしい顔をしている石像が……その時俺は悟った。あ、これ邪神像じゃね?と。 ――まぁ、こんな事件があったので盗品疑惑が強まったのだが、誰も気づいていないのだから多分違うんだろう。うん。 そんなこんなでガラクタ……もとい宝の山を全て降ろし終えた時には辺りはすっかり暗くなり始めていた。
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