第1章

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でも、いろいろ考え抜いても、 打算でいっても、 彼のような有能な人間には 生きて、彼の希望どおり、 世の中のために、何かを成し遂げてほしい、 という、切なる思いもあった。 それは究極な自己卑下になるのかもしれないけれど.... 百合には、ロマンティックで感情的な一方で、 こんな、凍てつきそうな合理性も持ち合わせていた。 春之助にまけず、機転の利く百合の こんな面が、 春之助のような、繊細で、実は要求の 高い、男を刺激し続け、 満足させていたのかもしれない.....
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