第1章

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この重厚感のあるチェーンのブレスレットさえ、 これまでのふたりの会話から、 機転を利かせて春之助が選んでくれたもの.... 彼は会話の中から、 人の好みや、喜びそうなことを、 ピックアップできる能力がずば抜けていて、 百合は、決して、欲しいものがあるというようなことを 言ったこともなければ、 仄めかしたこともなかった。 そんな卑しいことは絶対によしとしなかった.... ただ、たくさんの話を、正直に、自然に 話していることを、 多分に、春之助は、その人の 気持ちに沿って、 実現したら喜ばれることを、 知っていた。
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