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ケーキを買っちまった自分にため息を吐いて、とりあえず挽き肉とピーマンやらを買いに行こうと傘をさして歩き出した。
外はすっかり暗くなっている。
雨はやみそうにないけどな。
とりあえず近場にあるスーパーとやらに向かっている途中で鈴の音を聞いた。
りん…ちゃりん…
車の音や雨の音がするなかでもかきけされることなく、やけにハッキリと聞こえた。
何となく気になったので音のする方に視線を向けてみた。
多分あの細い路上だ。
多少暗くても視力はいいので…見えちまった。
多分猫だろう相手にしゃがんで、頭を撫でる
見覚えのあるその姿を…
しかも口元が微かに笑っている気がした。
この時、俺の心臓がうるさく激しく鳴り出した。
視界が狭まりその男しか映さなくなる。
雨のおとも車のおとも今は鈴のおとも聞こえない。
ただ暗い世界に街頭に照らされた、俺の幼馴染がそこにいたんだ
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