春夏秋冬交響曲~前編~

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ピアノの音 奏でられたメロディーが まるで桜吹雪のように 楽しそうに踊っていた 薄い長袖のシャツを着た 小さな男の子が奏でるそれは 春の暖かなそれだった 半袖の、 男の子がバイオリンを奏でる 麦わら帽子をかぶった弟の手をひいて 向日葵畑を駆け抜ける 黒猫の頭にのっかった桜の花びらを 季節外れだね、と笑う少女 半袖になった男の子に こいのぼりだよ、と笑う少女 薄い長袖のシャツを着た ピアノを奏でていた男の子は 今度は向日葵畑を走る 少女の音を奏でていた あぁ、夏が来る バイオリンの奏でた音から 少しだけ、夏の匂いがした
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