第20話

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「お前の作法は目に余るのです。食房へ参ることは許しません」 綾は都季を冷眼して、その場を立ち去った。 綾の背に控えていた上級女らが、都季の横を過ぎていった。 複数の衣擦れの音が、いつまでも耳に粘りついた。 *** 令雲は、医院の下男が毎日薬草畑の世話をしているのを知り、そこに向かった。 刺された腹の傷は笑うと痛むが、静かに歩行するのには差し支えがないほど迄に回復している。 「令雲様。傷に障りませんか。じっとしていなせえ」 畑の真ん中で雑草を引き抜いていた下男が立ち上がった。 「いえ。寝てばかりいるのも退屈です。手伝わせてください」 「わわ、よしてください。患者様に手伝わせたなんて先生に知れたら私が怒られますよ」 なるほど、と令雲は思った。
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