身体は心の容れ物

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  「……胸は、ちょっと大きくなったか」 「……ッ」 「やーらかいのは変わってない……」 俺を見つめ返す志緒の瞳が、 じわりと微熱で潤む。 もっと、泣かせたい。 縋らせて、 奥まで挿入り込んで、 のけぞらせて、 啼かせたい。 ……好きだ。 好きだ。 お前しか欲しくないって、 どんなふうに触れば伝わるんだ。 なあ、志緒。 早く俺のこと、許せよ。 過去のことも、 今のこの状況も、 いつまでも俺のせいにしてていいから。 俺とお前だけが特別なんだって、 早く言ってくれ。 その、赤く艶やかに濡れた口唇で。 .
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