第1章

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 「まあ、 鉱夫哀史といったところか。 今みたいに労働基準法も人権も何もない時代だからひどかっただろうね。 いやーこうやってみんなでいるといろんな話ができて楽しいね。 小野さん、 そろそろ運転お願いしようかな」  出発して二時間ほどで高速を降りて天峰山に通じる一般道に入ったあたりで佐藤が運転を替わろうと言った。 小野は佐藤に替わってハンドルを握った。  「話は変わるけど、 小野さんのところは昔九州の豪族で、 武士の家系だから、 ひょっとして刀なんか結構あるんじゃないの」  歴史好きの太田雅夫が今度は小野に話を振ってきた。
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