第1章

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   第二章 山荘の怪   一行は昼食を峠のレストランでとり、 ひと休みして天峰山に登り始めた。 絶好の登山日よりに恵まれて快適な山歩きだった。  先頭はリーダー格の佐藤輝夫、 次に小野精一郎、 太田雅夫、 塚本宏、 最後に平松文也の順で歩いていった。  細い尾根道になる六合目から七合目のガレ場あたりに差し掛かるとみんなで声を掛け合って進んだ。  「ここは滑りやすいからから注意して行きましょう」  「スリルがあってかえっておもしろいよ」  「そうだね。 山歩きの醍醐味ってやつだよ」  みんなでワイワイ言いながら難所の尾根道を過ぎると小一時間で山頂に辿り着いた。 標高千七百五十メートルからの眺めは絶景というべきで、 一大パノラマが眼下に広がっていた。
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