第1章

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 太田がちょっとおどけて言うと、  「あったりまえでしょ。 ちゃんと五人で予約してるよ。 心配ご無用さ」  佐藤もすこしおどけて言った。 一行が天峰山荘に着いたのは午後五時前だった。  「こんにちは、 佐藤と申します。 私の名前で予約を入れていましたが」  佐藤輝夫が受付でそう言うと五十がらみの中年男性が応対した。  「はい、 佐藤様以下計四名様で承っております。 本日から一泊のご予定ですね」  「え? 四名ですか、 確か五名で予約したはずですが」  佐藤が訝って言うと、  「ええ、 最初は五名で承っておりましたがその後お電話があり、 予約変更でひとり減ります、 とのことでしたので四名様ということになっておりますが・・・」  受付の男性も怪訝な顔で答えた。
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