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小野は元来、
不安や恐怖心の強い神経質な性格である。
そのひ弱な性格をなんとか直したいと思い、
毎週土曜日の夕方は居合の稽古に励んでいる。
流派は神道一刀流、
小野は稽古を始めて四年目で現在三段である。
最近奇妙な悪夢を見るようになって、
精神が不安定になってきていると感じているが、
これではいけないと思い、
今日も居合の稽古に励んでいた。
「えいっ」
おお、
今度はうまく斬れた。
水で湿した畳表の円筒を右袈裟斬りで一刀両断して、
小野は嬉しそうな表情を見せた。
さっきは踏み込みすぎて上手く斬れなかった。
「小野君、
間合いが近すぎる」
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