第1章

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 「うむっ」  と裂ぱくの気合と共に左下からの逆袈裟斬りで見事に畳表の筒を斬り飛ばした。  「見事。 よーし今日はここまでにしよう」  佐藤の試斬を見ていた師匠の吉川の声を合図に、 十人ほどのお弟子さんたちが、 吉川と対座して座り、 稽古仕舞いの礼法・作法をして今日の稽古を終わった。  「お疲れさまでした」  皆それぞれに声を掛け合い、 着替えにはいろうとしたとき、 佐藤輝夫が一同に告げた。  「えー再来週は日・月が連休になります。 この九月の連休を利用して天峰山に一泊二日の登山を計画しているんですが、 ご一緒に行かれる方はいませんか」
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