第1章

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 天峰山というのは、 今小野や佐藤の居る九州のK市の体育館から車で三時間程度内陸側に入ったところにある標高千七百五十メートルの山で、 山頂付近には宿泊用の山小屋もある人気のレクレーションスポットである。  小野精一郎は元々山歩きが好きなもので、 佐藤輝夫のアナウンスにいち早く反応した。  「はい、 僕行きます」  小野の反応に応じるかのようにあと三人がご一緒します、 と声を上げた。  「丁度どこか山登りしようと思っていたのでいいタイミングです」  そう言ったのは、 太田雅夫四段、 三十六歳でK市内の書店勤務の独身。
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