2人が本棚に入れています
本棚に追加
第五章 秘太刀兜割り
真木洞心はそのエピソードを聴き終えて言った。
「その村正の話は今回の件を解決する良い手掛かりになりますね」
「といわれますと」
小野の問いに真木は答えた。
「鉄をもって鉄を断ち斬るほどの刀と剣の腕があれば、
今回の邪霊騒動を鎮められると思います。
小野さん、
あなたが居合をやっておられるのが幸いです」
「和尚は私に邪霊をはらうことができると言われるのですか」
「そうです、
ただしそれにはまずもって村正のような霊気が備わった刀が必要です」
小野は、
父が村正を一振り所有していると告げると、
「それはいい。
それで問題の半分は解決です」
と真木は言った。
「あとの半分は何でしょうか」
小野が問うと、
真木はしばらく間を置いて言った。
最初のコメントを投稿しよう!