第1章 #2

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 「君にこれをやってもらいたいんだ。 いきなり真剣でというわけにもいかないから、 模擬刀や木剣で一日千回素振りをやりなさい。 真っ向上段から打ち込む時は、 大地も砕けよとばかりに気合を入れることだ。 そして鉄で鉄を斬るというイメージを徐々に頭の中で作り上げていくのがポイントだ。 二ヶ月それを続けたらまた私のところへ来なさい。 そのときまた指導します」  小野精一郎は師匠の吉川に言われた通り、 その日から二ヶ月、 一日千回、 兜割りの型稽古をやった。 真っ向上段からの打ち込みは千回もやると時に意識が朦朧とするほどだったが小野は懸命に耐えてニヶ月やり通した。
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