第1章 #2

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 小野精一郎の不安と恐怖が頂点に達したのはそれから二ヵ月後、 また同じような滑落事故死が天峰山で発生した時である。  テレビニュースでのレポートでは、 M市に住む病院事務職員吉松周平さん五十一歳が天峰山を下山途中、 七合目付近のガレ場で足を滑らせて落下、 吉松さんは落ちてきた岩石で頭を強く打ち死亡が確認された、 とあった。    
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