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第六章 破邪顕正の剣
それから一週間後、
週末を利用して小野精一郎は天峰山荘一泊に向かった。
いつもの登山と違うのは、
村正の太刀をビニールケースに入れて釣竿パックのように肩に担いでいる点だった。
小野は父親に事情を話して村正を借りてきたのだった。
天峰山荘には夕方の五時頃に到着した。
山荘ではあるじの木俣栄一が再会を喜んでくれた。
「小野さん、
またお会いできて嬉しいですよ。
今日はお一人なんですね」
「ええ、
たまには一人登山もいいかなと思って」
さすがに昔居合をやっていただけあって、
木俣は小野が肩に担いでいるのが刀だとすぐ見抜いた。
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