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それによると、
三人の人足の胴を試し斬りした侍は、
ことあるごとにその新刀の斬れ味を自慢吹聴するようになった。
結局それが元で同僚と刃傷沙汰を起こし、
手練の相手に胴を斬られ、
ほとんど体が二つになるほどの重傷を負って死んだ。
世間では、
胴斬りされた人足の祟ではないかと噂した。
そこで、
これ以上のわざわいを防ぐためにその試し斬りに使った刀を処分することになった。
陰陽師に処分の仕方について問うたところ、
刀についた邪気は刀をもって払うのがよいということで、
その刀を別の刀で断ち斬ることになった。
そこで、
当時藩内随一の遣い手といわれた佐々木主水という侍が村正でその刀を斬ることになった。
小野派一刀流の手練で剣鬼と評されたほどの佐々木は見事、
村正でその刀を一刀両断した。
世間では佐々木主水の剣の冴えと村正の霊気がその刀の邪気に打ち勝ったと噂した。
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