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やわらかなシーツに身体を預けて、メイは深く息をついた。
自分の部屋と割り当てられたのは、それなりに広いながらも手入れが行き届いていて、さっぱりと気持ちのよい一室だった。落ち着いた色味で揃えられた家具も豪奢すぎず、細部に施された曲線の細工が可愛らしくて、好みだ。
ぴったりと誂えたような夜着の着心地も悪くない。衣擦れのたび、ほのかに花のような香りがたつのが、どこかくすぐったく感じた。
朝の来ない街――常夜のユーヴロティア。
頬を枕に押し付けるように、うつぶせに寝返りをうつ。毛先に向かってくるんとカールするくせっ毛が、背中で跳ねた。
思っていたより、ここは悪いところではない。
自分に言い聞かせるように心のうちにつぶやいて、目を閉じた。
明けることのないこの街は、辺境にありながら他とは一線を画し、様々な技術を高い水準に保ちながら、独立都市として数百年の昔から、独自の文化を築き上げてきた。現在でも他都市との交流はあまり活発ではなく、どこか秘密めいた都市として静かに語り継がれている。
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