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言ってみれば、私の人生はそれなりに暗く、重いものだった。
親は私の存在を認めてはくれないし、恥じている。
友人と呼べる人はできても一方的に離れていくし、その後は言葉の暴力が待っている。
学校に通えなくなるほどの事件や、家出するほどのきっかけはないのがまた辛い。
「………死ぬほどの理由もない、んだよね」
私はうっそうとした森の中を歩きながら、そう独り言を漏らした。
川の音が私の耳に癒しを与え、照っている太陽は私になけなしの元気を与える。
「まあ、生きてる意味もないけど………」
じゃあ、私は何で生きているんだろうか。
その問いに、私は自分の手の平じっと見て、眉を寄せた。
ああ。こんなに自分を嫌っているのに………本当に、何で生きてるんだろ、私。
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