46人が本棚に入れています
本棚に追加
/148ページ
だけど驚いたことに何も言わないのに奴も同じバスに無言で乗り込む。
え?
奴も同じ方面?
夕方の帰宅ラッシュは過ぎたのか車内は比較的空いていた。二人掛けの席をキープした奴はあたしに隣に座るように目で促す。
嫌だって。
あたしはわざと気づかないふりをしてOLさんの横に座った。
このバスは駅前を通らずに山側へ抜けていく。終点近くの大きな団地にあたしの家はあった。このバスで30分ぐらい。
終点に向けてどんどん人が少なくなっていく。だけど奴の降りる気配はない。
やだ。あいつの家どこなのよ。
最初のコメントを投稿しよう!