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最寄りのバス停に近づいた。バスの中はがらんとして5、6人の人を残しているだけだ。おそらく残りの人はあたしの家の近所にあるスーパーの前のバス停で降りる人たちだ。
ピンポン。『次、停まります。』無機質な女性の声がバスの停車を告げた。
あたしの降りるバス停。他に停車ボタンを押した人がいる。こんなところで一緒に降りる人がいるなんて、珍しい。
すると奴があたしの目の前を通り過ぎてICカードをタッチした。
え?
バスを降りる瞬間に奴があたしの方を見る。あたしはあわてて同じようにカードをタッチしてバスを降りた。
目の前に停まっていたバスが発車する。バス停にあたしと奴だけが取り残された。奴は無言で歩き始める。
マジで?
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