-日陰の雑草

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 背の高い方の人も遠慮なしにジロジロとあたしを見る。 「遥香、失礼だよ。久住さんダサ子なんかじゃないよ。久住さん、あなたわざとこんな格好してるでしょ。」  背の高い人の言葉に藤澤さんと遥香と呼ばれた背の低い人が一斉にあたしを見つめる。 「これ、伊達メガネだし。まつ毛長いし、色白で小顔で柚希にも通じるな・・・何もしなくても素材がいいかわいい子。」 「あたしの素材は良くないよ。」 「ホント無自覚って罪。」  遥香と呼ばれた方の人がため息をつく。  あたしは背の高い人の言葉に思わず唾をのみ込んだ。この人・・・全部お見通しだ。 「あ、あの、失礼します。ありがとうございました。」  あたしはさっさとこの場を立ち去ることに決めた。 「何でそんな格好、あえてしてるのか聞かないけど、あたしたちでよければ相談に乗るよ。」  背の高い人がそう言った。と、同時に残りの二人が頷く。 「ありがとう。」
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