-日陰の雑草

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 あたしがため息をついた途端、昼休憩になった教室にざわめきが起こった。  あたしと扉方面をちらちら見る視線。 嫌な予感。  振り向くと不敵な笑みを浮かべた奴が立っていた。 「和音・・・行くぞ。」 どこへ?  あたしは恐怖に凍りついた。本能が近寄っちゃダメって信号を発してる。危険を察知して体が動かない。  あたしはじっとして嵐が過ぎ去るのを待った。だけどその嵐は大胆で、1年生の教室でも平気でずかずかと入り込んできた。 「行くぞ。」  言葉の端々が不機嫌だ。  あたしの腕を取って無理矢理立ち上がらせて行きたくもないのに引きずられていく。
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