-日陰の雑草

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「和音・・・そんなに俺のこと嫌か?」 また?  あたしは微かに頷いた。 「はぁ。」  この人は何を恐れているんだ?奴は明らかにあたしに嫌われることを恐れている。そう感じた瞬間、あたしのこの不安な気持ちは何だろう。説明のつかない不安がどんどん湧き上がって行った。 「覚えてねーのか。」  小さな声でつぶやく。 ? 覚えてねー?  その正体が何なのかあたしにも分からない。だけど奴の中には忘れられない何かがあるらしい。 「はぁ。」  再びため息。
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