-日陰の雑草

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     ◇ ◇  授業は30分ほど遅刻した。体調が悪く保健室で休んでいたと言えば、日頃の生活態度のお陰で先生も無条件であたしの嘘を受け入れた。  だけど授業中ずっと落ち着かなかった。  あそこまで言えば鈍感な奴でもあきらめてくれるはず。あたしはまた日陰の雑草に戻れるのだ。  だけど周りはそうじゃなかった。 放課後。 「ダサ子。」  廊下で呼び止められて振り向くとそこには日本人形。じゃなかった。さやかさん。 「あの・・・何か。」
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