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1年先輩。
名前も分かったんだし、とっとと返してくれりゃぁいいのに・・・。
口には出して言えないがじっと黙ったままそんなことを思っていた。
「ダサ子。邪魔。どっかいって。」
あたしだって行ける物ならとっくの昔に行ってるよ。
脱色したロングヘアーの軽いウェーブ、長いつけまつ毛、むせ返るような香水の香り、ほんのリメイク。顔はそこそこ。切れ長の目が狐に見える。そんな女の先輩が軽薄男の腕を取った。
でも軽薄男がその腕を振り払う。
「ふ・・・ん。」
何の品定めですか?あたしは取って食ったっておいしくありません!!
隙を見て単語帳を引っ張るがまだ未だにがっちりガード。
そろそろ次の時間も始まりそうだ。教室に帰りたい。
単語帳はあきらめよう。
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