同級生

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「……真琴、 功ちゃんもごめんね うまく伝えるのって苦手なんだけど 怒ってるんじゃないのよ 違うの……」 言葉の出ない功介と真琴ちゃんに向かって 問いかける歩美ちゃんも 中々、上手い言葉がみつけられない様子だった 決定している事柄に向けて 残りの時間をどう過ごすのか 一日二十四時間、これは平等なんだ 厄介なのは、人の感情 感情論で突っ走る歩美ちゃん それは歩美ちゃんの可愛らしさでもあるが 纏まる物も纏まらない 話し合いには向かない性格とも言える どうしようって顔して 僕を覗き込む歩美ちゃんの瞳が潤んでいて やれやれ、となりながら 笑顔を返した僕は テーブルに先程のプリンターからのモノ 婚姻届を座卓に滑らせた
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