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「この家の使用人頭の、"マキ"だよ。
宜しくね、甘竜塔矢(あまたつとうや)」
「!!(て事は…)」
「呑み込みが早くて助かるよ。
お察しの通り、今のアンタは所謂幽霊ってヤツさ」
「やっぱりか…」
予想通りの返事に、深い溜息を吐いた。
「噂通り随分落ち着いてるね。
心を読んだ事も、状況の受け入れも」
「落ち着く以外に、出来る事なんてありませんからね」
諦めの言葉を口にすると、マキさんは一瞬翳りを見せるが、直ぐに消してすっと立ち上がった。
?
何かまずい事でも言ったかな?
「じゃあ私は、アンタが目を覚ましたって伝えてくるから」
とだけ言って、部屋を出て行ってしまった。
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