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苦い表情を浮かべながらそう言う静流に、皆は顔を見合わせつつ、なんとなく頷いた。
静流は小さく息をついて、再び窓際に立ち、壁にもたれた。
「……図書館のテラスで美優君と談笑した後、僕は弥生君に忠告を受けた。
美優君との仲が噂になっている。それは撫子賞に支障をきたす可能性があると。これは僕自身懸念していたことでもあった」
そう話す静流に、弥生は『うんうん』と頷いた。
「その後すぐに彼女に告白されたんだ……。僕は勿論断ったよ」
俯き加減にそう告げる静流に、皆は黙って次の言葉を待った。
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