第10話 前哨戦!?

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『いいえ、私には大きなメリットがあります』 『大きなメリット?』 『“有栖川静流と交際できた”という事実は私のステータスにもなるんです。 ……これはお互いにとって悪い話ではないですよね?』 その申し出にはためらいがあった。 それでもその時、通りかかった女生徒が、 『わっ、静流様が綾小路さんじゃない方と一緒にいますわ』 という声を耳にした時、焦りから咄嗟に、 『いいよ』 と頷いてしまった。 そうして、成立したひとつの契約。 “撫子賞の投票が終わるまで、恋人同士の振りをする” それがその時交わされた二人の約束だった。
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