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「どういう意味だ?」
レイフはそう言った。
「バス停に爆弾が仕掛けられていた。ケイトが、ボスにマックスの生存を知らせずに、バス停に行かせたかった理由はそこだろう?君は知っていたと思ったが…」
「いや、知らない…」
レイフはそう言った。
「ニュースはあまり見ないんだ」
ニールは水を飲んだ。
「ニュースではやってない…」
レイフは緊迫した。ニールは明らかにカマをかけたのだ。ニールにすれば、屋敷にいた全員が敵であってもおかしくは無いのだ。
レイフは黙った。
マックスが、
「お腹いっぱいになった」
と、小さく言った。
「マックス、デザートは?」
と、ニールが聞いた。
「いらない」
マックスは首を振った。
「もう帰ろう」
ニールはため息をついた。
「調べたところ…ケイトのマンションはFBIの借り上げになっていた」
レイフは何も言わない方が今は身のためだと思った。
「どういうことだ?」
マックスが聞いた。
「ケイトはFBIの捜査員だったってことだ」
「捜査の為にウォーレンと付き合ったのか?ウォーレンはケイトを信じてたのに!」
マックスはニールに詰め寄った。
「だから俺、あの女は信用できないって言ったんだ!」
マックスの目から涙がこぼれ落ちた。
「ウォーレンが…かわいそうだ…。ひどいよ…」
ニールはレイフに聞いた。
「ビディを調べるために囮捜査に来た捜査官が、どうしてボスの死を望む?モーガンと一緒に…」
レイフは黙って水を飲んだ。
「さぁ、俺には分からないな…」
ニールは
「俺は真実を知りたいんだ」
と、言った。
レイフは
「分からない」
と、言った。
「いいだろう」
ニールは立ち上がって、上着を脱ぎ、ポケットから銃と携帯を出してテーブルの端に置いた。それからガードマンに
「席を外してくれ」
と、言った。
レイフは、ニールが本気で真実を知りたいのだと知った。
ガードマンはレイフをジッと見つめると、ゆっくり出て行った。ニールは座ってレイフを正面から見据えた。
「マックスは残すか?」
「何言ってるんだ、ニール」
マックスがビックリしていた。
「話を進めるためには…」
ニールは少し考えていた。
「まず、ここから聞くべきかな…」
レイフは人形のようなニールの表情から何かを読み取ろうとした。
「君は誰だ」
「レイフだ」
マックスが立ち上がって、よろけた。レイフは慌ててマックスを支えた。
「マックス、もういい」
レイフが言った。
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