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しかし、女性の横から別のほっそりした手が契約書をさっと取り上げた。
「ふぅん、『すぐ効果が出ない場合は返金します』、ね。リバウンドしたら、とは一言も書いてないわよ」
レイチェルだった。書類に目を通すのが速い。
「で、『効果が固定されるまでの24時間は飲食しないこと』。これを無視して何か召し上がったのね?」
レイチェルは女性を見た。
「そ、それは……っ。私は悪くないっ! 悪いのはその契約書でしょ!? 丸1日断食とかあり得ないし!」
女性はわめいた。
女性が息切れするのを見計らって、らぴとが口を開く。
「あれから研究を重ねて改訂版が出来ましたけど」
らぴとはレジ横の棚から新しい契約書を出した。
女性は「ふん」と冷たい目でらぴとを見た。
「今度のダイエット魔法は断食時間を6時間に短縮しま──」
らぴとは契約書を読み上げた。
「もっと短くならないの?」
女性が口をはさむ。
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